
食器やキッチンなど、
「身の回り全てを完璧に除菌するのが健康的」
と思っていませんか?
答えは「NO」です。
除菌にこだわり過ぎるはむしろ不健康!
「バイ菌を退治すれば身体がヤワになる」と
東京医科歯科大学名誉教授の
藤田紘一郎は述べています。
今回は、除菌と健康の関係について。
気になった方はお読みください。
除菌のし過ぎは免疫力を下げる
藤田紘一郎氏は、
「免疫力の70%は腸内細菌がつくる」
と話されています。
免疫とは、病原体から身体を守ったり、
病気を治そうとしたりする人体内の働きのこと。
免疫力を高めるためには、腸内細菌を増やし、
その働きを活性化させることが不可欠。
それには普段から菌などの微生物と触れ合い、
体内に取り入れることが必要なんです。
菌を取り入れることが健康って聞くと、
なんか頭が混乱しますよね。( ゚Д゚)
普段から菌にさらされた生活を送っていると、
免疫システムがトレーニングされ、
より強固に成長するんです。
例えば、
世の中にゾンビが発生したとします。
生き延びるために、
おのおの集団をつくりますよね。
(ゾンビ=病原菌、人の集団=免疫システム)
ゾンビと数多く戦った経験のある集団は、
ゾンビの弱点や対策がわかってきます。
さらに、役割分担やチームの連携ができてくる。
いつも戦って体を動かしているから、
筋肉ムキムキ、体力もつきます。
ちょっとやそっとのゾンビには負けません。
反対に、
菌の少ない生活をしていると、
免疫システムは戦うチャンスがなくて、
怠けてしまうんですね。
免疫システムのトレーニング不足
日本人は世界有数のきれい好き。
しかし、
それが免疫力を低下させているかも!?
と思える事件をふたつ紹介します。
O-157に感染しなかった子供たち
1996年に大阪の堺市で、
学校給食からO-157による大規模な
集団食中毒が起こりました。このとき、
重篤な状態に陥った子が大勢いた一方で、
同じものを食べながら、
下痢すらしなかった子供たちがいました。のちに調査が行われ、
何が症状を二分したのか解明されています。重症となった子はみんな、
一戸建てに住むような裕福な家庭で、
清潔に神経質なお母さんに育てられ、泥んこ遊びなど
めったにしないような生活をしていました。これに対し、
無症状だった子たちは、毎日真っ黒になって
外遊びをする生活を送っていたのです。
外遊びをすれば、
無意識のうちに土壌菌と触れ合い、
土ぼこりから菌を吸い込みます。無症状だった子たちは、
日々土壌菌を体内に取り入れながら、
免疫力を増強させていたのです。
「できる男はウンコがでかい」より引用
日本人だけコレラに感染
1995年、日本人の免疫力が他国に比べ、
落ちていることを示した事件が起こりました。
バリ島帰りの日本人300人が、
次々とコレラを発症したのです。
このとき、
コレラを発症したのは日本人だけ。
現地の人や他国の観光客はなんともなかったんです。
原因菌はエルトールコレラ菌といって、
感染力のさほど強くない菌だったそうです。
99%除菌が病原菌を増やす!?
雑菌のいない生活環境は、病原菌にとって、
天敵のいない独壇場といえます。
雑多な菌がたくさん活発に動いてるような場所では、
他の菌にたちまち退治され、
病原菌は生き延びる力をもっていません。
現に、おせじにも清潔とはいえない発展途上国では、
O-157で集団食中毒は起こさないそうです。
O-157が流行するのは先進国のレストランなど、
世界で最も清潔な場所といわれています。
雑菌がいない場所では、
ヤワな菌も我が物顔に猛威をふるえるのでしょう。
除菌のこだわりを減らそう
腸内細菌叢の種類は、
生後12か月程でほぼ決まってしまうそうです。
赤ちゃんを育てる際は、
適度に菌に触れさせたいものですね。
あっ!
「不潔がいい」といっているわけじゃないですよ。
清潔も必要ですが、
「ほどほどに」というお話でした。
除菌へのこだわりが減ると、
薬品で地球環境を汚すことも減るので、
一石二鳥ですよね。
それでは、今日はこの辺りで、
最後まで読んでくれて、
ありがとうございました。
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